『面白くて眠れなくなる植物学』

こんにちは。エビ代表です。

早速ですが今回は、『面白くて眠れなくなる植物学』という本を読んで、すごく面白かったので紹介してみたいと思います。

植物学というと、なんだか地味で面白くなさそう…なんて思うかもしれませんが、この本では日常にある植物、野菜や果物に関する知識を教えてくれています。

身近なものがたくさんあって楽しい内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

それではいってみましょう!

リンゴのヘタはどこにある?

著者は問います。

ミカンは、どちらが上でどちらが下になるでしょうか?

植物で考えると、ヘタのある方が下になるそうです。

てっきり、よくヘタを上にして置いてあるので、ヘタの方が上だと思っていました。

これは花で考えたときに、『子房』という部分が大きくなって実になり、『ガク』という部分がヘタになります。

なので、ヘタのある方が下ということになるのです。

 

では、リンゴのヘタはどこにあるのでしょうか?

実はリンゴというのは、ミカンや柿のように『子房』が大きくなって出来た果実ではないのです。

花の付け根の『花托(かたく)』という部分が、子房を包み込むようにして大きくなって出来ているそうです。

よく見ると、リンゴの柄の反対(一般的には下)部分にはヘタがあったような跡があります。

これも以外だったのですが、イチゴも『花托』が大きくなって出来た果実だそうで、我々がタネだと思っていたあのツブツブの部分が本当の実なのだそう。

イチゴとリンゴが仲間だったなんて驚きでした。

植物はなぜ緑色をしているのか?

植物が緑色なのはなんとなく、 「緑色である葉緑体があるから」とか漠然と思っていたのですが、根本的に間違っていました。

実は、緑というのは植物にとっていらない光だったんです。

太陽にはいろんな色の光が混ざっています。

植物が光合成を行うのに、青や赤や黄色の光を必要とし吸収されます。

このときに緑色の光があまり利用されないので、吸収されずに反射して緑に見えるのだそうです。(この成分を『葉緑素』という)

常識を根本から覆されて、もはや気持ちいいです

紅葉はなぜ赤くなる?

毎年きれいに山を彩ってくれる紅葉。

秋と言えば、紅葉の景色が浮かぶのではないでしょうか。

そんなきれいな紅葉ですが、なぜ葉っぱが赤くなるのでしょうか?

結論から言うと、『アントシアニン』という色素が目立っているから。

寒くなってくると光合成の効率も悪くなり、木が葉との栄養の通り道をシャットアウトしてしまうのだそう。

すると光合成で作られた糖が葉にたまり、その糖からアントシアニンという色素が作られていきます。

先ほど説明した、緑の光を吸収せずに反射する『葉緑素』という色素が次第になくなっていき、アントシアニンが目立って、赤く見えるようになるのです。

 

本書ではこの一連の流れを、潰れかけの工場に例えて解説されていて、まぁまぁ面白かったです。

植物の毒は私たちを魅了する

なんとも怖い見出しですよね(笑)

安心してください、これからシャブの話をするわけではありません。

 

世界三大飲料(ちなみに筆者は初耳)と言われているのが、「コーヒー」「紅茶」「ココア」で、共通して含まれているのが『カフェイン』です。

実はこのカフェイン、アルカロイドという毒性物質の一種で、もともとは植物が虫や動物を避けるための物質なんだそう。

しかし弱い毒性は人間にとっては薬になるため、覚醒や興奮を起こして体が活性化され元気になります。

他にも、タバコに含まれるニコチン、唐辛子に含まれるカプサイシン、他にもハーブや香辛料に含まれる成分は毒性成分なんだとか。

そう考えると、毒を好んで食べたり飲んだりするなんて、人間ってバカ(いい意味)ですね。

赤ちょうちんは熟した果実!?

個人的に、この見出しがいちばん釣られました。

赤ちょうちんというと、居酒屋、ラーメン屋、屋台などが思い浮かぶと思います。

赤ちょうちんをみるとつい入ってしまいたくなるのには理由があったんです。

これも結論を申し上げますと、人間は本能的に赤い色をみると、食欲が湧いてしまうからです。

これには植物の進化が関係していると著者は言います。

植物は、鳥などに実を食べてもらい、フンと一緒にタネをまいてもらって繁殖していきます。

そのとき、タネがまだ未熟だと意味がないので、成熟するまでは緑色など目立たないようにしないといけません。

やがてタネが成熟してくると、甘くて赤い実をつけ、食べてもいいよの合図になるのです。

 

その赤い色をした実を、哺乳類で唯一識別できたのがサル(人類の祖先)であり、僕たちは赤色のちょうちんを見るとついつい入りたくなってしまうのだそうです。

おわりに

いかがでしたか?

すごく地味だと思っていた植物学というものが少し身近に感じられたのではないでしょうか。

本書ではもっと具体的なエビデンスを元に、たくさんの知識がつめ込まれています。

Amazonプライム会員なら追加料金なしで読める、Prime Reading対応商品となっているのでぜひ読んでみてください。

自己啓発本やビジネス書を外れて、たまにはこういうのもいいですね。

著者の稲垣栄洋さんは、他にも面白そうな植物に関する本を出されているので、また読んでみて面白かったら紹介したいと思います。

 

 

じゃあまたね。

 

『面白くて眠れなくなる植物学』

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